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ムーラ観光、後編

約半日歩き回って気付いたこと。
それは手にした地図、スケール違わね?と。笑
方向こそ目安になれど、かなり小さな町であることを歩いて実感。
気がつくと再びSaburhaneの古い住宅街におり、トルコ民家とギリシャ民家の違いについて考察。
ちなみにギリシャ民家は煙突の形状が違い、材料は主に切り石で外部に突出した形状はない、とのこと。
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ちなみにトルコ民家は木製の出窓部分に特徴があり、黒海地方付近の民家にも多くある住宅構造かと。
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ハマムはガイドブックに二軒あったうち、もう一軒は割と遠く感じられるももしかしてすぐそこ、と思うに至る。

途中、Zahire Pazarıにてお茶。
昔は市場として機能していたようですけど、現在は観光客向けのカフェやハンドメイド雑貨の店が連なる場所。
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ここのコーヒーは座布団に載ってます。笑
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通りに出るとへなちょこ時計台あり、初代ムーラ市長と嫁が異国(ダマスカス)旅行で見た時計台に感銘、ムーラにも作ってしまえ、という安直な発想で作られたらしい。
上を見ないと絶対に気がつけないし時計が一個外れてる様は貧相この上なく。
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次に訪れたのはHacıkadıの家と呼ばれる場所で、これまた初代ムーラ市長の息子のお宅だそうで1880年建造とか。中は当時の装飾のまま。
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隣室には熊の毛皮あり。
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10分も滞在することなく。笑

目的のハマム、名前をAndonのハマムといい150年前にギリシャ人が作り、その後トルコ人(Zelihaオバさん)に売ったもの、らしい。
モスクの横に広場があって
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この辺のはず、と通りすがりの住民に訪ねようやく辿り着くも、博物館でもなければ遺跡でもなく。
案内してくれたオジさんが犬とケンカし始め(これもまた大笑い)その声を聞いてドアを開けたのがこのハマムの所有者である婆さんでした。
※犬を救いに来たのか叱りに来たのか謎の登場。
快く中を案内してくれた彼女の母親というのがZelihaさんらしく、旦那亡きあと娘婿に譲渡し96歳まで生きてたようで(しかも双子姉妹あり)
木戸の向こうにハマムあり。
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脱衣所と番台は現在、漬け物漬けたりと保存食作りの際に利用中とか。
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で、肝心のハマム。。。
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大理石は一切なく、なんとも庶民的。
電気がないのでランプだし。
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天窓はプラネタリウムを彷彿とさせ
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当時使われていたハマムサンダルとか桶とか、どうでも良い陳列ぶり。
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20数年前まで営業してたらしいんですけど、やはり利用客も減り維持が困難で閉業。
当時の料金表、誤字もありよ。
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犬のお導き、、、この後ご自宅にてお茶と軽食までごちそうになりました。
彼女の話ではかなりな金額で売りたい、らしい。笑
寄贈ってタダなわけ、親から譲り受けた財産をタダでくれてやれるかい、みたいな。笑
市長、並びに建築関係者が何度か足を運んでご機嫌を伺ってるようですけどね、3人の息子と自身の住居を要求してるので寄贈は絶対に有り得ん、と実感。

ちなみに旦那という方はArastaで靴の修理屋をしてるということで夕食前に立ち寄る。
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古い写真をたくさん見せてもらい昔話を聞かせてくれました。
まぁ、安っぽく陳腐な博物館にするくらいなら、今の廃墟のようなハマムの方がよっぽど味がある、と思います。
でも誰にでも門を開ける婆ではないので、まずは短足な彼女の飼い犬とケンカして開けてもらいましょう♪
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2泊で十分、意外にも内陸的な気候で乾燥が激しかったんですけど、のんびりとした町並みとこの界隈の住民は本当に親切でありました。
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翌日、アンカラ経由での帰宅となるので2日間ほど友人宅へ。
ちょっとした騒動の真っ只中に身を置いてしまうことになったんですが、政治的なことなので興味があればお読みください。






先週から騒動が勃発していたイスタンブール市なんですが、今や全国規模で騒動が広がり熱くなってます。
ことの発端は新市街のタキシム、ここは現在都市開発中で広場を中心に歩行者天国を拡大したり、博物館を建設する、など計画案が発表されてました。
都会のオアシス、のような公園もあるんですがここを整地してデパートやモスクを建設するということになり反対する市民との衝突が激化した、という経緯です。
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1本、2本の木を伐採する、ということで熱り立ったわけじゃないようです。
一部のリベラルな市民が今まで我慢して来たことの限界が来た、というか発火点となったのがこの公園問題だっただけの話だと思われます。

今この国を動かしている政党への反発。
政教分離を国是とする国でありながらも、某政党が宗教色の強さを感じさせるこのところの規制強化に若者を中心とした多くの市民が全国規模で抗議運動を開始し、それを阻止しようとする警官と衝突、死亡者も出てしまっている現状です。

さて、アンカラに到着し友人宅に着いてからこういったイスタンブールの状況をネットで追跡してました。
この国のメディアも当初は報道を控えたり、終いにはネットへも介入が始まり国民は怒り心頭で日増しにデモが拡大しつつありましたので、外出は控えておりました。
アンカラでの友人宅、割と繁華街に近いんですけど一般住宅街。
夕食の買い出しに近所の市場へ出かけ、帰り道に買ったサクランボの品評などしながら食べ歩いていた時。
まずは鼻腔にヒリヒリした感覚、その次にサクランボを飲み込みながらも感じるこの痛み。。。

目の前を駆けて行く市民の顔にはマスク、もしくはハンカチ、下手すると強盗かよ、と思うような顔隠し。
風の向きでしょうか、催涙ガスが流れていたんですねぇ。。。
かろうじて目は何ともなかったんですが、このガスが目に入ると相当痛いようです。
ちなみに、野良犬の手当をする市民も多くいたようです。
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こちらで催涙ガスのことを俗称唐辛子ガス、と言います。
で、民間療法と思いますがこのガスで目をやられたらまずはレモン、目に果汁を擦り付けると緩和するらしい。
さすが唐辛子、このピリピリとした痛みは生まれて初めて、ちょっとパニックになりました。
辛いから、とサクランボ食べてもダメなことだけは実証済みですから。

とにかくアンカラはかなり過激な集団(警官も)が破壊行為もあったりで本当に残念です。
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頭に過るのは「産みの苦しみ」ということ。
新しい何かを生み出すためには血を流す必要がある、これはあくまで歴史的な背景もあって感じることですけど、できることなら若者が無駄死にしないためにも政府の早急な対応が必要でしょうか。
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ただ、残念なことに党首が感情的な人物であるというのは事実、簡単に退陣はしないであろうと予想します。

国民あっての政治ですからね。
早く解決して欲しいと思います。
by efendi | 2013-06-05 16:03 | 旅行