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初夏の花

春だ春だと浮かれていたものの、気がつくともう春の花は散り緑が多く目につくような近隣風景です。
我が街はそれでもまだジャケット着用でちょうど良い気温ですが、他都市では気温が30度近くまで上昇しているようです。
いや、それは暑すぎ。
田舎から戻って次のドサを2日後に控え、いつも旅行カバンが口をあけて待機中という感じで今月は本当に忙しく出歩いてます。

このちょっとした途中休憩で馴染みの公園に出かけると、春の花が散った後に初夏の花たちが咲き始めており、その芳香につい深呼吸をしてしまい過呼吸気味。
今は終わったチューリップの球根も掘り起こされ、次の花が植えられるのを待ってるような感じですが、それでもパンジーなんかが沢山咲いておりキレイです。
これは何の花でしょうか、名前に疎くてすいませぬ。
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藤の花が白や紫の花弁を葡萄のように垂れる姿はどこのアパートの庭先にも多く、こうした庭の美しさで管理人のセンスが伺えるというものです。
ちなみに我が家の狭く長い庭、隣接アパートとの敷地に沿って花が植えられておりますが、今の季節は大輪の薔薇が咲き、地上階である我が家は特に窓を開けるとピンク色の薔薇が目につき和みます。
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かなりの大輪です、記憶ではこの季節と秋口にも咲いていたような。
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先日5日から6日にかけて、日本ではスーパームーンというタイトルで騒がれておりましたね。
確かに、この日の月は大きく明るく、通常の満月よりも明るさが強かったなと思います。
この日、この国ではちょっとした祭りごとがありました。
イスラムとは関係ない祭事なので信じない人も多いんですが、この日は深夜に願掛けを行う、という特別な日でありました。
Hıdırellez(フドゥレレズ)、英訳では春の祭事となってます。
一説によると、春の精霊と預言者エリヤが月明かりの元に地上に集い木々や草花に触れるとこの精霊たちの恩恵に授かることができるという。
こういった信仰は遠くメソポタミア文明とアナトリア文明の融合から発生したという説や、中央アジアを起源とするという説などあり様々。
近年は祭りということで音楽に合わせて歌い踊るというイベントも市内各所で行われてます、とんだランチキ騒ぎです。

さて、この日の願掛け。
食べ物を入れた容器の蓋や財布の口を開けたまま放置すると精霊が触れ恩恵に授かる、と言われてます。
他には5日から6日にかけての深夜に薔薇の花の根元に願い事を書いた紙や硬貨を埋め(赤いリボンに結わえて吊下げるという説もあり)、翌日に掘り起こし海に投げ捨てる、もしくは一年間大切に保管する、などこれまたいろいろです。
燃える火の上を跳び越え無病息災を祈るというのもあります。
数年前に友人Mの母上が(結構信心深いティピカル年寄り)家や車やお金と書いた紙を薔薇の根元に埋めた、と聞いて微笑ましく思ったものです。

今年、我が家の前に咲く大輪の薔薇たち(笑
仏教徒なんで月見だけして終了としました、いや、信じる信じないとかじゃなく単に月明かりの元に咲く薔薇がキレイだなぁ、と。
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我が家には公園からのお裾分けとして、芳しい香りの一枝を飾る。
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精霊とかいう信仰はイスラム教には関係ないとされてますが、長い歴史を辿るとこの国にはシャーマニズムが根底にあること、こういった祭事で思い出すわけです。
良いことあるといいなぁ、と漠然と思った一晩でありました。
by efendi | 2012-05-07 17:11 | 生活